FXのボラティリティ|通貨ごとの特徴や危険性を解説

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記事監修者ルカの画像 この記事の監修者 ルカ

都内の外資系銀行でキャリアをスタートし、金融業界での第一歩を踏みだす。

入行2年目でリテール部門のファイナンシャルプランナーとして年間売り上げ成績全国1位を獲る。

その後、ヘッドハンティングによりコンサルティング会社、都内信託銀行でキャリアを積み、専業トレーダーとして独立。

万屋FXサイトの運営をしながら、動画や記事監修している。

【保有資格】
  • 日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)
  • 投資診断士
  • 内部管理責任者
  • ウェブデザイン技能検定3級
目次

FXのボラティリティについて徹底解説

ボラティリティは多くのFXトレーダーが活用しており、トレンドの強さや取引におけるリスクなどを判断できる有効な指標です。

しかしながら、ボラティリティをどのように取引で活用すればよいのか分からない方は多いのではないでしょうか。

そこで、今回はFXのボラティリティについて、通貨ごとFの特徴から時間帯による変化まで解説していきます。

本記事を最後まで読んで頂き、自分に合ったボラティリティの通貨ペアや初心者が注意すべき点などを理解し、取引を有利に進めて頂けたらと思います。

※ボラティリティ:価格推移の変動しやすさのことをいいます。一般にボラティリティが小さいと収益機会も小さくリスクも低い、ボラティリティが大きいと収益機会も大きくなり、リスクも大きくなる傾向にあります。
※通貨ペア:実際の取引で売買する通貨の組み合わせを意味します。例えば、保有中の円を米ドルでFX取引したいと言う場合はUSD/JPY、ユーロでFX取引をしたいと言う場合はEUR/JPYといった表記になります。

FXにおけるボラティリティとは、通貨ペアの価格が変動する度合いのことです。

ボラティリティを把握できれば、取引で想定される利益や損失の大きさを素早く判断することができます。

とはいえ、「ボラティリティが高い通貨や時間帯っていつなんだろう?」、「どうやってボラティリティを計ればいいんだろう?」などの疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

FXではどの通貨のボラティリティが高く、どうすれば簡単に現在のボラティリティを計れるのか解説していきます。

FXのボラティリティについて動画で学ぼう

FXでは2つボラティリティが存在する

FXでは2種類のボラティリティが存在します。

一つは通貨ペアごとのボラティリティ、もう一つは時間帯ごとのボラティリティです。

例えば、米ドル円のボラティリティ、8時〜15時ごろのボラティリティといったものが挙げられます。

通貨ペアによって基本となるボラティリティは決まりますが、時間帯が違えば、高くなったり低くなったりもします。

FXの取引時間、初心者にもおすすめの時間帯を紹介している記事はこちら

通貨ごとの特徴とボラティリティ

まず、通貨ごとの特徴とボラティリティを理解することで、自分に合った通貨ペアを見つけやすくなります。

例えば、高いリターンを目指したい場合は、ボラティリティの高い通貨が入っている通貨ペア(ポンド円など)、リスクを抑えたい場合はボラティリティの低い通貨を組み合わせた通貨ペア(米ドル円など)というように、目的に合わせて取引する通貨ペアを選ぶことが可能です。

ボラティリティが高い通貨ペアは、リターンと同時にリスクも高くなることがポイントです。

ここからはFX取引で売買される主要な通貨の特徴、注目イベント、ボラティリティの傾向について解説していきますので、ご自身のトレードの参考にして頂ければと思います。

円(JPY)

【日本円の特徴】


まずは、日本人投資家にとって一番取引をすることの多い日本円から解説していきます。

一般的にその国の経済が成長をすると、利上げ期待などが高くなり、その国の通貨はどんどん価値を上げ、自国通貨高(円高)になっていきます。しかし、日本円は構造上、逆の動きを辿ります。

輸出が好調で、経済成長が見込まれる時は円安・外貨高という流れとなります。投資家がリスクを取り、収益を追求しやすい局面では円安・株高となり、逆に収益を追求しにくい局面では円高・株安となります。

日本に限らず、どの国も自国通貨安になってくれた方が、国際競争力も高まるので、そのように仕向けたいのですが、そうなるとインフレ率の抑制などを考慮して金利の引き上げの必要性が生じてしまいます。

しかし、日本の場合、1991年3月のバブル崩壊後から現在に至るまでデフレが続いていることから、すでに30年以上金利は0%台となっています。銀行にお金を10年預けていれば資産が倍になるというバブル時代はなくなり、年を追うごとに物価が上がり支出が増えている状態が続いています。

こうした背景から日本人の多くが外貨に為替差益と金利を求めて、投資に専念する方々が増え始めます。

日本の金融政策は日本銀行が舵取りを行っています。総裁と2名の副総裁、6名の審議委員の合計9名で政策委員会を行っています。

物価と金融システムの安定化に日々奮闘していますが、元総裁の黒田氏就任した際(2013年4月)に掲げた、「物価目標2%」も漸く達成されましたが、現在も日銀は2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現していくために、金融緩和を続けています。

【注目イベント】


日銀の金融政策決定会合

日銀の金融政策決定会合は年8回開催しており、各会合は2日間開催されます。

2日目の会合が終わった時点で制作内容を公表し、15時半頃から総裁が会見を行います。

この公表時から会見時にかけて、為替は大きく動く傾向にあり、投資をする際は慎重にエントリーし、決済をすることをおすすめします。

日銀は公表時間を定めていないため、2日目の11時半から市場ではいつ頃発表されるのかソワソワしている状態となります。

特に金融政策に変更がなければ、11時台に足早に公表され、変更しないが決定まで話が縺れ込んだ場合は12時台に公表され、変更があった場合は13時以降に公表される傾向があります。

そのため、12時半を過ぎても公表が無ければ、市場では「何か変更されるのかも」という憶測が流れ、相場が大きく動きやすくなります。

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開催回 2023年度 日銀の金融政策決定会合の日程
第1回 1月31日・2月1日
第2回 3月21日・3月22日
第3回 5月2日・5月3日
第4回 6月13日・6月14日
第5回 7月25日・7月26日
第6回 9月19日・9月20日
第7回 10月31日・11月1日
第8回 12月12日・13日

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日銀短観

日銀の金融政策決定会合の他に外せない指標がこの日銀短観です。四半期毎にされており、製造業や非製造業の景況指数の変遷と大企業製造業の想定為替レートが注目されます。この指標は海外でも「TANKAN」と呼ばれ、注目されています。

日本円は世界でもトップクラスの取引量のため、ボラティリティが低く、値動きは比較的緩やかな傾向があります。

日本円や米ドル、ユーロといったメジャー通貨は、取引量が多いことから基本的にボラティリティは低いです。

とはいえ、米国の雇用統計など非常に重要な経済指標が発表された場合や日米の経済指標の結果が市場予想から大きく乖離した際などは、相場が大きく変動することも珍しくありません。

したがって、値動きが安定しているとはいえ、日米の経済指標や情報のチェックは必要です。

※雇用統計:その国の雇用情勢(失業している人口や就業している人口)を調査した統計です。

米ドル(USD)

【米ドルの特徴】


米ドルは世界の基軸通貨とも呼ばれており、世界の通貨の頂点に君臨しています。世界の貿易や金融取引などで使われる米ドルは他の通貨と比較し、圧倒的な存在であり、無くてはなりません。1944年まではイギリスのポンドが頂点に立っていましたが、ブレトンウッズ協定により基軸通貨が米ドルに代わり、現在に至っています。

そしてこのアメリカの金融政策の舵取りをする中央銀行こそがFRB(連邦準備制度理事会)であり、議長、副議長、理事の3役で構成されています。

その下に位置するのが、全米12地区の連邦準備銀行であり、各地区毎の中央銀行業務を担っています。最終的な金融政策決定を行うのは、年に8回行われる、FOMC(連邦公開市場委員会)であり、投票権はFRBのメンバーとNY連銀総裁、及び5地区連邦総裁(NY連銀総裁は固定、その他の11地区連邦総裁は輸番制)が有しており、2日間にわたる会合で決定されます。

その決定事項が発表されるのは、日本時間の深夜4時であり、議長の会見はその45分後からとなるので、なかなか厳しい時間帯となります。しかしながら、このFOMCでの決定事項によって、金融市場が大きく変動する可能性があるので、本記事をご覧いただいている皆様を初め、FXトレーダーにとっては見過ごせないイベントとなります。

特に「利上げ」、「利下げ」などの政策変更が予想される会合時では、事前に思惑による為替の動きが生じたり、発表を挟んでの激しい値動きが発生するので、短期トレーダーにとっては絶好の機会となります。その流れは、東京・アジア時間に引き継がれて行くので、くれぐれも逆張り投資では無く、順張りでその勢いの波に乗って行くことをオススメします。

しかし、ある程度の利益が取れたら、決済するのも大事です。放置しすぎると、気付いたら元の為替レートに戻るなんてこともよくある話です。

また、米ドル取引が活況になるのは、日本時間の21:00以降となりますので、日本人にとっては取引しやすい時間帯かと思います。デイトレードやスキャルピングなどのような短期トレードスタイルで臨む場合、この時間帯を有効に利用することをオススメします。

※基軸通貨:国際通貨の中でも中心的な役割を持つ通貨
※ブレトンウッズ協定:1944年に開催された連合国の代表が集まって、米ドルを基軸通貨とした協定
※FOMC(Federal Open Market Committee):連邦公開市場委員会の略であり、米国の金融政策を決定する会合
※NY連銀:ニューヨーク連邦準備銀行
※5地区連邦:金融政策を議論するFOMCでの投票権を持つ5つの州の代表者
※利上げ&利下げ:中央銀行による、政策金利の引き上げと引き下げ
※デイトレード:一日のうちに売買して決済をするトレード手法
※スキャルピング:数秒から数分程度の短い時間で何度も何度も売買を繰り返して利益を積み重ねていく運用手法

【注目イベント】


FOMC(Federal Open Marked Committee)

FOMCとは、「Federal Open Marked Committee」(連邦公開市場委員会)の略です。米国の金融政策を決定する会合であり、日本の日銀金融政策決定会合に該当します。

FOMCは年に8回開催され、その時点の景況判断や政策金利(FFレート)の方針が発表されます。その結果がマーケット予想と大きく乖離した場合、市場(株式市場や為替市場)は大きく変動することがあります。トレーダーの方々にとって必ず注視すべき存在です。

米国雇用統計

米国雇用統計とはアメリカの雇用情勢(就業者と失業者数など)を調査した統計です。原則毎月第一金曜日(夏時間:日本時間21:30、冬時間:日本時間22:30)に発表されます。

為替への影響は絶大であり、数円動く(数百Pips)こともざらです。市場の予想に反して雇用統計が良ければドル買い(円安)になりやすく、嫌気が差された場合はドル売り(円高)の動きを辿ります。

CPI(Consumer Price Index)

消費者物価指数とは一般消費者世帯が購入するものやサービスの総合的な価格水準を示す数値です。日本では総務省が毎月発表(毎月19日がある週の金曜日の8時半に公表)しており、別名CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれています。米国では毎月15日に発表されています。

FXにおいては生鮮食品を除いた「コアCPI」は重要視されます。一般的には物価が上がっていれば景気が良いと判断され、消費者の購買意欲が高くなり、逆に物価が下がっていれば景気が悪いと判断され、消費者の購買意欲が下がっていると考えられます。

景気が良くなれば、その通貨は買われやすくなりますし、物価上昇に加熱感が出てくると市場で中央銀行による利上げの期待が高まりその通貨高が進行しやすくなります。逆の場合は利下げ期待による通貨安が進行しやすくなります。

中古住宅販売件数

景気を予測する先行指数とも注目されており、全米不動産協会が米国内で販売された集合住宅を含む中古住宅の販売成立件数を月毎に集計し、発表しています。この中古住宅市場は新築住宅市場よりも規模が大きく、個人消費の動向を反映することから市場での注目度は高いです。

新規失業保険申請件数(イニシャルクレーム)

米国内で毎週木曜日に発表される先行指標です。失業者が初めて申請した失業保険給付の申請件数を測定します。市場の予測よりも高い数値で発表された場合は米ドルにとって売材料となりますが、逆に低い値であった場合は買材料と解釈されます。

個人消費支出

米国内のGDPの先行指数として注目されており、米商務省が自国の家計が消費した財やサービスを集計し、発表しています。個人消費支出のうち、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは、FRB(米連邦準備理事会)がインフレ指標として重視することから、特に注目されています。

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米ドルの特有のボラティリティ

米ドルは世界トップの取引量を誇り、ボラティリティが低く、他の通貨と比べ値動きは比較的緩やかな傾向があります。

しかし、米国の雇用統計など非常に重要な経済指標が発表された場合や経済指標の結果が市場予想から大きく乖離した際などは、相場の大きな変動がよく見られます。

したがって、値動きが安定しているとはいえ、前述した通り、米国の経済指標や情報のチェックは必要です。

また、米国の経済指標は米ドルだけでなく、世界各国の通貨に大きな影響を与えることも覚えておいてください。

また、メキシコペソは米ドルとの相関性が強く、米ドルの値動きに連動するような特徴があることも覚えておくと、高金利通貨であるメキシコペソの取引も視野に入れやすいです。

ユーロ(EUR)

ヨーロッパ大陸のEU(欧州連合)に加盟する27カ国(2023年現在)の中で、さらに通貨にユーロを導入している20カ国で形成される経済圏がユーロとなります。

米ドルに次ぐ第2の基軸通貨として歩んできたユーロですが、イギリスの欧州連合離脱(ブレグジッド)やユーロ全体の景気低迷により、近年は懐疑的な声を聞くようになっています。

ユーロ圏には、各国に中央銀行がありますが、それら全てを統括する役割を担っているのが、欧州中央銀行・ECBです。ECBは総裁、副総裁の他4名の専務理事で執行部が構成されており、そこに各国中央銀行総裁を加えたメンバーで会合を行います。 年に8回開催され、金融政策を決定していきます。

各国中央銀行総裁の投票権は、経済規模の上位5カ国で4票、その他14各国で11票の輸盤制となります。

経済面ではユーロ圏全体の指標に加え、ドイツやフランスなど経済力のある国とその指標が注目されます。

特にドイツの製造業やインフレ率などは欧州経済の牽引役として景況感を大きく左右します。

また欧州は数が多いため、常にどこかの国で選挙が行われていますが、国政選挙はユーロ全体に大きなインパクトを与えますので、トレーダーは直近の選挙スケジュールを把握しておくことをオススメします。

※インフレ率:物価の上昇度合いを表す指標です。多くの中央銀行が2%の上昇率を目指して、政策運営をしています。

■注目イベント


欧州の全体のHICP(Harmonized Indicies of Consumer Prices)

ECB(欧州中央銀行)の金融政策戦略のおける物価安定の尺度(インフレ値)として用いられています。商品やサービスの代表的な製品(食品、公共関連、衣類、教育、交通など)の主な12カテゴリーから集計し、発表されています。

IFO景況感指数

ドイツの公的研究機関であるIfo経済研究所が、ドイツ企業の景況感を月次で公表している指標です。約7,000社の企業に対し、アンケートを実施し、指数化します。

アンケート内容としては企業が業況の現状を「良い」「満足」「悪い」、6ヶ月後の将来を「改善する」「変わらない」「悪化する」といった評価項目で集計します。

GDP(Gross Domestic Product)

GDPは国内総生産のことを指し、一定期間内(1年間など)に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。

GDPによって国内でどれだけの儲けが産み出されたのか、国経済状況の良し悪しを端的に把握することができます。

失業率(完全失業率)

毎月、欧州委員会統計局(Eurostat)が発表しています。労働力人口に対する完全失業者(働く意思はあるものの、就業の機会がない者)の割合のことを指し、数値が上昇すれば景気低迷、下落すれば景気回復を辿っていると判断できます。

ドイツのZEW景況感指数

ドイツの民間調査会社である、ZEW(欧州経済研究センター)が自国の景気予測をするために毎月発表しています。金融アナリストや市場関係者を対象にアンケート調査を行い、今後6ヶ月のドイツ国内の景気見通しについて調査するものです。50を上回ると好況と判断され、下回ると不況と判断されます。

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ユーロ特有のボラティリティ

欧州単一通貨のユーロは、米ドルに次いで取引量が多いため、ボラティリティが低く、値動きは比較的緩やかな傾向があります。

ただし、ユーロはドイツやフランス、イタリア、スペインなど一定以上の経済力を持った複数の国と関係があるため、価格変動の要因になり得る情報が多いのが特徴です。

そのため、ユーロを取引する場合は、経済状況の情報収集に時間がかかりやすくなります。

ポンド(GBP)

英ポンドはFXトレーダーにとても人気の高い通貨です。その理由は、他の通貨と比べて高い変動幅を見込めるため、大きな利幅を狙えるチャンスがあるためです。

ポンドの舵取りはイングランド銀行・BOEが行っています。世界で最も古い中央銀行であり、BOEは総裁、副総裁、理事と委員の合計9名で構成されています。

金融政策委員会(MPC)は2015年8月から方針が変更され、年8回開催されています。2月、5月、8月、11月の会合では通常の金融政策の公表に加えて議事録公表、4半期インフレ報告が成され、その後に総裁による記者会見が行われる為、スーパーサーズデイと呼ばれたりします。この時期は英ポンドの為替レートが乱高下しますので、トレーダーの方々にとっては活気付く時期でもあります。

一方で、英国は米国や他の諸外国とも特異な状況下に置かれていることも認識しておいてください。

イギリスは2020年1月にEUから正式に離脱(以下ブレグジット)が行われ、3年経過した現在ではマイナス成長を辿っています。その理由としてブレグジットにより国内外の企業では事務作業やコストが大幅に増え、貿易障壁が復活したことで、輸出入が急激に落ち込み、投資も減り、加えて労働力が不足(EUからの出稼ぎ労働者の減少)したことにより、生産性が落ち込み国内の物価が上昇したためです。現在でも回復の兆しは無く、今後の国策や刺激策に期待したいところです。

したがって、金融政策や政権に変化があった際は為替が乱高下する可能性がある為、トレードする際は、政治状況や金融カレンダーは必ず注視しておくことが重要です。

※スーパーサースディ:BOEは四半期に一度、金融政策、議事録、インフレレポートを同時に発表しています。この発表される木曜日に為替が乱高下し、利益を狙う絶好の機会としてFX市場ではスーパーサースディと呼んでいます。

■注目イベント


MPC(Monetary Policy Committee)

英国の中央銀行である、イングランド銀行(BOE)に設置されている金融政策委員会です。他国と同様、政策金利などを決定する機関です。原則、6週間毎の木曜日に発表され、会合2週間後の議事録も重要になってきます。

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イギリス特有のボラティリティ

英ポンドはドルやユーロ、円に比べると取引量が少なく、流動性が低くなるため、比較的ボラティリティが高い傾向があります。

英国の経済指標はもちろんのこと、地理的、政治的な要因からユーロ圏の経済指標でも大きく動くことがあります。

したがって、英ポンドを取引する際は英国だけでなく、ユーロ圏の情報にも注意するべきです。

豪ドル(AUD)

豪ドルは観光でも人気であり、従来高金利通貨として投資家の間で人気を集めてきました。また、1991年以来、ITバブルの崩壊、リーマンショックを経ても景気後退局面に陥らなかった国として有名です。

その堅牢な財政基盤の元となっていたのが、同国の豊富な資源(鉄鉱石、石炭、アルミニウム、小麦、羊毛、肉牛など)を武器に最大の貿易相手となる中国の躍進でした。特に同国で発掘される鉄鉱石は中国にとって喉から手が出るほど欲しい鉱物資源であり、自国の経済活性化に欠かせません。

しかし、近年ではその中国の景気減速や商品市況の減速を背景に厳しい経済状況が続いています。それに伴い、豪ドルの金利は現在0%台にまで低下しており、史上最低水準で推移しています。

豪ドルの金融政策の舵取りをしているのが、オーストラリア準備銀行・RBAです。

RBAは総裁、副総裁1名づつと7名の委員の計9名で構成されており、1月を除く毎月第1火曜日に金融政策決定会合を実施しています。 会合の主目的は通貨の安定、雇用の安定維持です。政策は通貨のフォワードルッキング(先を見越した視点)が強く、行動が早いのが特徴と言えます。また、2〜3%のインフレターゲットの政策目標の指針としています。

豪ドルで注目すべき経済指標は、3ヶ月毎に発表されるGDPとCPIです。加えて、月ごとに発表される小売売上高、雇用統計、住宅関連指標、貿易収支は為替の値動きに大きく寄与します。

オーストラリアの指標は日本時間の午前中に発表されることが多い為、日本人にとって取引がしやすい通貨のため、トレーダーの皆様は是非当通貨を利用してみてください。

※鉄鉱石:製鉄原料となる鉱石であり、自動車、橋梁、高層ビルなど様々な設備や物の原材料となっています。

※インフレターゲット:正式な名称はインフレーション・ターゲティングと呼びます。各国が物価安定目標2%を目指しています。

■注目イベント


金融政策決定会合

オーストラリアの中央銀行であるRBA(オーストラリア準備銀行)が毎月第一火曜日(一月を除く)に開いています。

GDP(Gross Domestic Product)

GDPは国内総生産のことを指し、一定期間内(1年間など)に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。

GDPによって国内でどれだけの儲けが産み出されたのか、国経済状況の良し悪しを端的に把握することができます。

CPI(消費者物価指数)

オーストラリア連邦統計局が4半期毎に消費者が商品やサービスの価格の変化を調査して、指数化したものです。

FXにおいては生鮮食品を除いた「コアCPI」は重要視されます。一般的には物価が上がっていれば景気が良いと判断され、消費者の購買意欲が高くなり、逆に物価が下がっていれば景気が悪いと判断され、消費者の購買意欲が下がっていると考えられます。景気が良くなれば、その通貨は買われやすくなりますし、物価上昇に加熱感が出てくると市場で中央銀行による利上げの期待が高まりその通貨高が進行しやすくなります。逆の場合は利下げ期待による通貨安が進行しやすくなります。

小売売上高

オーストラリア統計局が発表する小売売上高は、国内の小売店の売上を毎月測定する指標です。この指標は個人消費や消費者信頼感とも相関性があり、オーストラリアの今後の消費動向を確認するための指標として重要視されます。市場予想よりも高い結果となれば豪ドル買いとなりますが、逆に低い場合は売り材料となります。

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豪ドル特有のボラティリティ

豪ドルはボラティリティが高く、円との金利差もあることから日本人トレーダーに人気のある通貨です。

オーストラリアは石炭や鉄鉱石、金などの天然資源を大量に輸出していることから、中国経済と密接に関連しています。

つまり、オーストラリアの経済指標だけでなく、中国の経済指標でも大きく動く傾向があるのです。

また、日本時間8時から15時ごろまでの東京時間にボラティリティが高くなりやすいという特徴もあります。

したがって、東京時間が豪ドルを取引する最適な時間帯と言えますが、米国の経済指標でも大きく動くことがあるため、日本時間夜でも十分取引できるチャンスがあります。

カナダドル(CAD)

カナダドルは地理的な関係から米国と経済的な結びつきが深く、米ドル経済の影響を受けやすい傾向にあります。カナダはG7の一員であり、世界第2位の国土を有している為、豊富な天然資源を有しています。一方で、広大な国土に対して人口は約3700万人程度の為、経済規模は他の先進国と比べ決して高い方ではありません。その為、隣国であるアメリカの経済や金融政策に沿った施策を講じています。

資源で言えば、石炭、ウラン、鉄鉱石、ニッケルなど鉱物資源などが目立ちますが、中でもダントツに希少価値が高い石油を多く有しており、且つ米国との貿易量がとても多く、それに伴い同国の経済情勢は安定しています。

カナダの金融政策の舵取りをしているのが、カナダ中央銀行・BOCです。BOCは議長1名、上級副総裁1名、副総裁4名で構成されており、金融システムの安定を目的に、年に8回金融政策決定会合を実施しています。

金融政策は比較的アクティブであり、政策変更の前にはアナウンスが出ることが多い印象です。一方で他の通貨と比べ、トレードする際のヒント(材料感)が乏しいのも否めません。

北米ということもあり、取引の主な時間帯はNY時間になりますので、それ以外の時間帯はあまり動きが出ませんので、時間を絞ったトレードが必要となります。 

■注目イベント


貿易収支

貿易収支は財の輸出額と輸入額の差額(輸出額ー輸入額)を測定する指標となります。

貿易収支はGDPの構成要素となるため、貿易黒字はGDPの拡大に寄与します。市場予想よりも高い数値の場合はカナダドル買いが想定され、逆に市場予想よりも低い場合はカナダドル売りが想定されます。

雇用統計

カナダ統計局が翌月の第1金曜日に発表しています。

市場の予想に反して雇用統計が良ければカナダドル買い(円安)になりやすく、嫌気が差された場合はカナダドル売り(円高)の動きを辿ります。

Ivey購買担当者景況感指数

Richard Ivey School of Businessとカナダ購買部協会が共同で調査した購買担当者景気指数です。 購買担当者に雇用、生産や新規受注、受注残、価格、購買数量などをアンケートにより調査して、その結果に対して一定のウェートを掛けて指数化したものです。 基準としては「50」を上回れば景況感が良いとされ、カナダドル買い材料となり、下回ればカナダドル売り材料となります。

GDP

GDPは国内総生産のことを指し、一定期間内(1年間など)に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。

GDPによって国内でどれだけの儲けが産み出されたのか、国経済状況の良し悪しを端的に把握することができます。

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カナダドル特有のボラティリティ

カナダドルは流動性が低いことから、ボラティリティが高くなる傾向があります。

また、カナダは米国と国境を接しており、地理的に非常に近いことから、経済的にも関係が深いです。

そのため、米ドルとカナダドルは似たような動きを見せることがよくあります。

その他にも、カナダは資源大国であり、特に原油の埋蔵量が多いことから、原油価格が上昇傾向をたどっている時には、買われやすいという特徴があります。

カナダドルを取引する際は、カナダと米国の経済指標と共に、原油やダイヤモンドなどのコモディティの価格やロシアのウクライナ侵攻の状況なども見ておくべきです。

※コモディティ価格:原油、天然ガス、エネルギー、金属、小麦など総称してコモディティと呼び、それらを取引する際の価格です。

ニュージーランドドル(NZD)

ニュージーランドは豪ドルと同様、資源国通貨として人気を獲得してきました。日本と同じ島国であり、活火山も有していることから地震も起きやすい地域です。一方で、広大な自然を有していることから、基幹産業である牧畜が盛んであり、人口よりも羊の頭数の方が多いです。またキウイフルーツの輸出国として有名であり、NZドルは「キウイ」とも呼ばれています。

金融政策の舵取りをするのがニュージーランド準備銀行・RBNZです。RBNZは総裁1名、副総裁1名、総裁補1名、チームエコノミスト1名、外部委員3名で構成されており、同機関の主目的は物価の安定と雇用の最大化であり、年8回金融政策決定会合を行います。

同じ資源国として良く比較されるオーストラリアと同様にかつては高金利通貨として認識されていましたが、現在は1%台まで低下しています。

また最大の貿易相手はオーストラリアと同様、中国です。 従って、中国経済の影響がNZドル相場に反映されることから、AUD/JPYとNZD /JPYの為替チャートの値動きはとても似ています。

また、最大の輸出産品が乳製品であることから、ニュージーランド国最大の乳製品企業である、フォンテラ社の同国への経済寄与度はとても高いです。同社が2週間毎に発表するGDT価格動向は重要視され、この価格が上がれば、ニュージーランド経済にプラスとなり、下がればマイナスと判断されます。

■注目イベント


GDP

GDPは国内総生産のことを指し、一定期間内(1年間など)に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。

GDPによって国内でどれだけの儲けが産み出されたのか、国経済状況の良し悪しを端的に把握することができます。

CPI(消費者物価指数)

ニュージーランド統計局が4半期毎に消費者が商品やサービスの価格の変化を調査して、指数化したものです。

FXにおいては生鮮食品を除いた「コアCPI」は重要視されます。一般的には物価が上がっていれば景気が良いと判断され、消費者の購買意欲が高くなり、逆に物価が下がっていれば景気が悪いと判断され、消費者の購買意欲が下がっていると考えられます。景気が良くなれば、その通貨は買われやすくなりますし、物価上昇に加熱感が出てくると市場で中央銀行による利上げの期待が高まりその通貨高が進行しやすくなります。逆の場合は利下げ期待による通貨安が進行しやすくなります。

NZ住宅建設許可件数

毎月ニュージランド統計局が発表しており、月次で翌々月下旬に発表されます。景気の先行指数として認識されていて、市場予想よりも数値が多ければNZドル買いの材料となり、逆に下回ればNZドル売りの材料として判断されます。

消費者信頼感指数(ウェストパック消費者信頼感指数)

ウェストパック消費者信頼感指数は他国で発表されている消費者信頼感指数と同様、消費者の経済に対するマインドの変動を測定・数値化します。家計の状態や家や車の購入状況など5つの指標でも確認でき、同指数は、経済活動全体で主要な部分となる個人消費の予測にも使われます。

数値は約1,200人の消費者を対象に将来の景気予想を評価するように尋ね、その調査結果が100.0より上の数値は楽観を示し(ニュージーランドドル買い材料)、下のレベルは悲観(ニュージランドドル売り材料)を示します。

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ニュージーランド特有のボラティリティ

ニュージーランドドルは流動性が非Z常に低いことから、ボラティリティが高く、急な価格変動が発生しやすい傾向があります。

また、ニュージーランド経済はオーストラリアや中国の経済と密接に関連しています。

つまり、ニュージーランドの経済指標だけでなく、オーストラリアや中国の経済指標でも大きく動く傾向があるのです。

ニュージーランドは乳製品の輸出シェアが高いことから、ニュージーランドドルは乳製品の価格に影響を受けることもあります。

情報収集に時間がかかり、ボラティリティも高いことからニュージーランドドルは取引が中々難しい通貨です。

とはいえ、2023年4月現在で政策金利は5.25%となっており、スワップポイントが非常に魅力的であることから、スワップポイントを狙った長期投資はおすすめです。

スイスフラン(CHF)

スイスフランは安全資産として世界から認知されており、マーケットが低迷した際は逃避先に選ばれる資産として人気がある通貨です。スイスはヨーロッパの中央に位置しており、国土面積が4万1285 km2であり、日本の九州よりもやや小さな国です。人口は867万人(2020年時点)と言われており、WTOの場において日本と密接な協力関係にあります。

同国は他の国々のように資源に恵まれている訳ではありませんが、主に貿易、商取引、金融業、観光業のサービスに従事していることで自国経済の活性化に長けています。

スイスの金融政策を担っているのが、スイス国立銀行・SNBです。SNBでは総裁、副総裁に理事1名を加えた3名で構成されています。同国の政策金利は年4回(3月、6月、9月、12月の理事会で決定されていますが、今年6月には政策金利0.5%の利上げを実施したことにより、インフレ抑制を積極的に図っていることが分かります。

一方、2015年1月15日に発生した、スイスフランショックも忘れてはなりません。スイス国立銀行が自国の高騰を防ぐために、1ユーロ=1.20スイスフランの上限を撤廃したことにより、スイスフランの買い注文が殺到し、相対的に他国の通貨が安くなった出来事です。

これにより、わずか20分程度でUSD/スイスフランでは2,820Pips、スイスフラン/JPYでは3,947Pips変動し、多くのトレーダーが強制退場させられました。

スイス中央銀行の取決めのきっかけとなったのが、国民のユーロ通貨に対する不安によるものだったとされています。いずれにせよ、安全資産と謳われているスイスフランでさえこのような経緯があったため、慎重に期することが大事だと思われます。

■注目イベント


GDP

GDPは国内総生産のことを指し、一定期間内(1年間など)に国内で産出された付加価値の総額で、国の経済活動状況を示します。

GDPによって国内でどれだけの儲けが産み出されたのか、国経済状況の良し悪しを端的に把握することができます。

SVME PMI(スイス製造業購買担当者景気指数)

スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)は、製造業の購買担当者の景況感を確認できる指標です。結果が50を超えれば、製造業の景況感の拡大を示唆することでスイスフランの買い材料となり、50を割り込めばと景況感の悪化を示唆しスイスフランの売り材料となります。調査対象である購買担当者は、自社業績のデータや取引先の動向をいち早く抑えているため、景気動向を占う先行指標とされていて、トレーダーにとって重要な指標として認識されています。

KOF先行指数

チューリッヒ工大経済観測所(KOF)が発表している指標です。このKOF景気指数は、消費者信頼感、銀行への信頼感、生産、新規受注、住宅に関する12の指標を組み合わせて全体的な経済の健全性を決定し、同指数はスイスの景気動向を予測する先行指標となります。

予想より高い結果であれば、スイスフランの買い材料tなり、予想より低い数値であればスイスフランの売り材料であると認識されます。

消費者物価指数

消費者物価指数とは一般消費者世帯が購入するものやサービスの総合的な価格水準を示す数値です。スイス連邦統計局が毎月発表(毎月19日がある週の金曜日の8時半に公表)しており、別名CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれています。米国では毎月15日に発表されています。

FXにおいては生鮮食品を除いた「コアCPI」は重要視されます。一般的には物価が上がっていれば景気が良いと判断され、消費者の購買意欲が高くなり、逆に物価が下がっていれば景気が悪いと判断され、消費者の購買意欲が下がっていると考えられます。

景気が良くなれば、その通貨は買われやすくなりますし、物価上昇に加熱感が出てくると市場で中央銀行による利上げの期待が高まりその通貨高が進行しやすくなります。逆の場合は利下げ期待による通貨安が進行しやすくなります。

貿易収支

貿易収支は財の輸出額と輸入額の差額(輸出額ー輸入額)を測定する指標となります。

貿易収支はGDPの構成要素となるため、貿易黒字はGDPの拡大に寄与します。

市場予想よりも高い数値の場合はカナダドル買いが想定され、逆に市場予想よりも低い場合はカナダドル売りが想定されます。

失業率(完全失業率)

毎月、スイス経済省経済事務局(SECO)が発表しています。労働力人口に対する完全失業者(働く意思はあるものの、就業の機会がない者)の割合のことを指し、数値が上昇すれば景気低迷、下落すれば景気回復を辿っていると判断できます。

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スイスフラン特有のボラティリティ

前述した通り、スイスフランは安全資産と言われており、取引量はそこまで多くないものの、基本的にボラティリティが低く、値動きは緩やかな傾向があります。

ただし、為替介入をおこなう頻度が高く、為替介入に関しての情報を集めておく必要があるでしょう。

また、他国でテロや戦争が起きた際には、「有事のフラン買い」が発生しやすいことにも注意が必要です。

地理的な要因から輸出入の相手先はドイツやフランスなどユーロ圏の国が多く、ユーロ圏の主要国の経済指標をチェックすることも重要になります。

スイスフランは値動きが安定している傾向がありますが、特に為替介入や有事の際のボラティリティの増加には気を付けて取引してください。

※有事のフラン買い:世界恐慌、戦争やテロなど有事の際は永世中立国であるスイスフランに緊急投資先として資金が流れる(買われる)ことを指します。

※為替介入:通貨当局が為替相場に影響を与えるために外国為替市場で通貨間の売買を行うことを指します。

トルコリラ(TRY)

トルコリラは政策金利の高さが顕著であり、トルコリラの金利が高いことから人気のある通貨です。一方で、現大統領のエルドアンの指示による国策、金融政策の方向性により為替が乱高下する傾向にある為、上級者向けの通貨と言えます。

トルコ共和国はヨーロッパとアジアに跨がっており、国土が780,576km2であり、日本の約2倍の面積を有しております。人口は約8,500万人(2022時点)と言われており、主力産業は製造業であり特に自動車産業が牽引しています。また観光業、農業、エネルギー関連にも力を入れている同国は今後とも潜在的な成長余地がある国として注目されています。

トルコの金融政策を担っているのが、トルコ中央銀行の初の女性総裁である、エルカン氏を中心に副総裁3名のメンバーで構成されています。

同機関の主目的はインフレ抑制と金融の安定化です。金融政策面において他の諸外国との大きな違いは政策金利が25%まで引き上げられているということです。

FX取引において投資冥利があるかというと、その高い政策金利からもたらされる、高いスワップポイントと政治や金融政策の転換による急激な為替の変動率による期待感です。

■注目イベント


トルコ金融政策決定会合

トルコ中央銀行が発表している指標です。その金利水準は他国と一線を画しており、現在では25%となっています。その政策背景には自国のインフレを抑えこみを意図としておりますが、政策金利発表時の為替変動は激しいため、注視しておくことをおすすめします。

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トルコリラ特有のボラティリティ

トルコリラは取引量が非常に少なく、流動性が低いことからボラティリティが高く、急な価格変動が発生しやすいです。

要するに、短期間で大きな為替差益を狙うことができますが、その分リスクも高くなります。

トルコリラは政策金利が非常に高く、スワップポイントを狙った長期投資で人気のある通貨です。

政策金利が上がるとトルコリラの為替レートも上昇し、下がれば下落します。

前述した通りエルドアン大統領が大きな権限を持っており、トルコの経済指標以外にも大統領の発言に注意が必要です。

ボラティリティが高いことに加え、トルコに関する情報は日本では得にくいことから、リスク管理の徹底が重要になります。

※スワップポイント:2ヵ国間の金利差調整分を指します。例えばFXでは、低金利通貨を売って(円売り)高金利通貨を買うと(トルコリラ買い)、ポジションを保有している日数だけ、日本円とトルコリラ金利差分の利益を得られます。

※政策金利:景気や物価の安定など金融政策上の目的を達成するために、各国の中央銀行が設定する短期金利(誘導目標金利)のことです。

時間帯ごとのボラティリティ

FXのボラティリティは通貨だけでなく、時間帯によっても変わります。

つまり、値動きが緩やかな時間帯や激しくなる時間帯があるということです。

平日は24時間取引できるFXですが、時間帯ごとのボラティリティの特徴を確認し、取引をするタイミングの判断に役立てて頂けたらと思います。

オセアニア時間(6時〜8時)

6時〜8時(冬時間は7時〜8時)はオセアニア時間と呼ばれ、ニュージーランドのウェリントン市場やオーストラリアのシドニー市場といったオセアニア市場での取引が中心となります。

オセアニア市場は欧米のトレーダーがいなくなることから、通常は市場参加者が少ないため、流動性が低く値動きが小さいのが特徴です。

また、基本的には素直な値動きで取引しやすいものの、流動性が低いことからスプレッドの拡大やボラティリティの急激な上昇が起きやすい時間帯でもあります。

また、前週末に大きなニュースがあった場合は、真っ先に反応し、ボラティリティが非常に高くなることがあるので注意してください。

したがって、総合的に考えればオセアニア時間は、取引が中々難しい時間帯となります。

東京時間(8時~15時)

8時~15時は東京時間と呼ばれ、東京市場での取引が中心となります。

東京時間は日本や香港、オーストラリア、シンガポールなど、アジアやオセアニアの市場参加者が多く、 日本円や豪ドル、NZドルのボラティリティが高いことが特徴です。

また、8時〜10時は金融機関が外国為替を取引する際の基準レートとなる「仲値」が発表されるため、値動きが活発になる傾向があります。

特に、「ゴトー日」と呼ばれる10日や15日などの5と0のつく日は、日本企業の決済が増え、海外の取引先への支払いのために米ドルが買われ、米ドルのボラティリティが高まります。

その後、10時を過ぎるとボラティリティが低くなっていくケースがよく見られます。

東京時間は日本円や豪ドル、NZドルのボラティリティが高いものの、全体的に見れば後述するロンドン時間やニューヨーク時間よりもボラティリティが低いです。

ロンドン時間(16時~25時)

16時〜25時(冬時間は17時〜26時)はロンドン時間と呼ばれ、ドイツやイギリスなど欧州の市場参加者が多いロンドン市場での取引が中心となります。

16時〜19時(冬時間は17時〜20時)は、欧州のトレーダーがユーロやポンドなどの通貨を積極的に取引します。

さらに、ユーロ圏の経済指標が多く発表される時間帯でもあり、欧州の通貨のボラティリティが特に高くなりやすいです。

しかし、19時(冬時間は20時)を過ぎるとトレーダーが昼休みに入り、ボラティリティは低くなっていきます。

また、21時以降(冬時間は22時以降)は後述するニューヨーク市場と重なっており、1日の中でボラティリティが最も高い時間帯です。

ニューヨーク時間(21時~翌朝6時)

21時〜翌6時(冬時間は22時〜翌7時)は ニューヨーク時間と呼ばれ、米国の市場参加者が多いニューヨーク市場での取引が中心となります。

特に21時〜翌1時(冬時間は22時〜翌2時)の間は、ロンドンとニューヨークという2つの大きな市場が同時に開いている時間帯となり、1日の中で最もボラティリティが高いです。

その中でも、「ニューヨークオプションカット」と呼ばれる通貨オプション(あらかじめ決められた期日や価格で通貨を売買する権利)の権利行使期限である23時前後(冬時間は24時時前後)は、ボラティリティが非常に高くなるケースが多く見られます。

また、「ロンドンフィキシング」と呼ばれる、ロンドン市場の仲値が決まる24時前後(冬時間は翌午前1時前後)も同様です。

ニューヨーク時間は米ドル円やユーロドルなどの流動性の高い通貨ペアでもボラティリティが高くなるため、大きな利益を狙えるチャンスが多くなります。

ボラティリティが高い上、トレンドが発生しやすく、日中は忙しいサラリーマンや主婦の方でも落ち着くことができる時間帯であるニューヨーク時間は、取引がしやすい時間帯と言えます。

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テクニカル分析でボラティリティをチェック

<ボラティリティをチェックできる主なテクニカル指標>

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指標名 内容
ATR 一定期間のボラティリティを移動平均線にしたもの
ヒストリカル・ボラティリティ 一定期間の変動率を年率換算したもの
ボリンジャーバンド バンドの幅でボラティリティを把握できる

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ATRは一定期間のボラティリティを移動平均線にしたテクニカル指標であり、海外でよく使われていますが日本でも有名です。

RSIやADXの開発者として知られるワイルダーが開発し、FXではボラティリティを判断することで、トレンドの強さを把握したり利益確定や損切りの値幅を決めたりするツールとしてよく使われます。

ATRは他のテクニカル指標と組み合わせて売買シグナルとして使うだけでなく、単体でも利益確定や損切りの値幅を決める根拠にすることができる非常に便利なテクニカル指標です。

また、ヒストリカル・ボラティリティは、過去の値動きにおける変動率の傾向を表すテクニカル指標です。

現在のボラティリティの状況を素早く把握することができるため、FXだけでなく株式投資やコモディティなどの取引でもよく使われます。

ヒストリカル・ボラティリティの数値が高まると、ボラティリティが高まっていることで短期売買のチャンスやトレンド発生につながることが期待できます。

ボラティリティをチェックできるテクニカル指標は様々なものがありますが、ボリンジャーバンドに慣れている方はバンドの幅を使ってボラティリティを視覚的に判断してもよいです。


※移動平均線:過去一定期間の価格を平均化して連続させた線のことです。この値動きから相場の本質的な傾向を明確にしようとするものです。
※ワイルダー:J.W.ワイルダー・Jr氏はテクニカル分析においてのオシレーター領域で多大な影響を及ぼした人物の一人です。今では当たり前のように使われている、RSI、ADXの開発者でもあります。

初心者が注意すべき点とは?

ボラティリティで初心者が注意すべき点は、ボラティリティの高い通貨ペアは大きな利益を狙える一方、損失が拡大しやすいというリスクもあるという点です。

ボラティリティの高い通貨ペアは、通貨ペアを構成している国はもちろんのこと、大きな影響を与える国の経済指標などもチェックして急騰や急落に備えておく必要があります。

重要な経済指標の前にはポジションを保有しないことも、リスクを抑えるのには有効です。

加えて、米雇用統計や失業率など注目度の高い経済指標が発表される日、クリスマスや年末年始などの欧米の休日は、特にボラティリティが高くなる傾向がありますので、ご注意ください。

万が一に備え、特にトルコリラのような急激なボラティリティの上昇が考えられる通貨は、保有するポジションを小さくしておくのもおすすめです。

まとめ

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通貨の種類 各国の通貨特徴まとめ
日本円 日本円は他の通貨と逆行する性質をもつ
ドル 米ドルは世界の基軸通貨で最も取引量が多い通貨
ユーロ 27カ国が加盟している欧州連合の通貨
ポンド 他の通貨と比べて高い変動幅を見込める通貨
豪ドル 観光も盛んで高金利通貨として人気を集めている
カナダドル 米国と経済的な結びつきが深く米国の影響を受けやすい
ニュージーランドドル 豪ドルと同様資源国通貨として人気を獲得している
スイスフラン スイスフランは安全資産として世界から認知されている
トルコリラ 高金利通貨として人気である一方乱高下しやすい

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この記事を書いた人

日々、双子の兄のルカが営む万屋FXでナビゲーターとして働きながらFXトレーディングに励んでいる、活発な銀狐女子。

彼女の夢はFXトレードで得た利益を貯めて、将来自分のお菓子屋さんを開くこと!

好きな食べ物は油揚げと甘いものであり、それが彼女の喜びとリフレッシュの源。

今日もルナは夢に向かって着実に前進し続ける。

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