FXにおけるパラボリックは、トレンドの転換点を探知し、トレンドフォローのエントリーや逆張りのシグナルを提供するために広く使用されます。
その利便性と信頼性から、多くのトレーダーに支持されているため、その理由と使い方を詳しくご紹介していきます。
優良海外FX業者ランキングはこちら
FXのパラボリックとは
パラボリックSARは、J. Welles Wilderによって開発されたテクニカル指標で、主にFXトレードに利用されます。
パラボリックSARは「Stop and Reverse」の略であり、価格がパラボリックSARラインに達するとトレンドが逆転することを示します。
チャート上では、上昇トレンドでは価格の下に、下降トレンドでは価格の上に点が表示されます。
使い方としては、価格がSARラインを上回ると買いシグナル、下回ると売りシグナルが発生します。
この手法を使うことで、トレンドフォロー戦略が実行しやすくなります。
FXにおけるパラボリックバックテスト
パラボリックのバックテストは、過去のデータで戦略の有効性を検証し、リスクを低減しながら信頼性の高いトレード判断を行うために重要です。
パラボリックの有効性を検証するために、2024年3月11日〜2024年6月10日の直近3か月のFXデータを使用してバックテストを行いました。
以下は、USD/JPYとEUR/JPYの主要通貨ペアを対象にした結果の概要です。
バックテスト結果
USD/JPY
USD/JPYの通貨ペアでは勝率は約41.18%となりましたが、エントリー条件とエグジット条件を下記の通り実施した結果、その有用性を示してくれました。
バイ・アンド・ホールドでのリターンが7.83%でしたので、直近での当インジケーターは優位性があると立証できました。
- テスト期間: 2023年12月11日~2024年6月11日
- 通貨ペア:USD/JPY
- 時間足:2時間足
- 設定金額:1,000,000円
- ロット数:0.5ロット(50,000ユニット)
- エントリー条件
ロングエントリー: 価格がパラボリックSARを上回ったとき。
ショートエントリー: 価格がパラボリックSARを下回ったとき。 - エグジット条件
ロングポジション: 価格がパラボリックSARを下回ったときにクローズし、ショートエントリー条件が満たされている場合には逆エントリー。
ショートポジション: 価格がパラボリックSARを上回ったときにクローズし、ロングエントリー条件が満たされている場合には逆エントリー。
すべて | ロング | ショート | |
---|---|---|---|
純利益 | 400,450 JPY40.04% | 399,300 JPY39.93% | 1,150 JPY0.11 |
総利益 | 1,601,700 JPY160.17% | 987,200 JPY98.72% | 614,500 JPY61.45% |
総損失 | 1,201,250 JPY120.12% | 587,900 JPY58.79% | 613,350 JPY61.33% |
最大可能利益 | 415,000 JPY29.33% | – | – |
最大ドローダウン | 301,800 JPY22.41% | – | – |
勝率 | 41.18% | 52.46% | 29.31% |
終了したトレード合計数 | 119 | 61 | 58 |
プロフィットファクター | 1.333 | 1.679 | 1.002 |
バイ・アンド・ホールドでのリターン | 78,326.88 JPY7.83% | – | – |
EUR/JPY
EUR/JPYの通貨ペアでも勝率は約41.46%となりました。USD/JPYよりも純利益が下回りましたが、下記条件でエントリー&エグジットを実行した場合はプラスで終えたことから、優位性があると認識できます。
- テスト期間: 2023年12月11日~2024年6月11日
- 通貨ペア:EUR/JPY
- 時間足:2時間足
- 設定金額:1,000,000円
- ロット数:0.5ロット(50,000ユニット)
- エントリー条件
ロングエントリー: 価格がパラボリックSARを上回ったとき。
ショートエントリー: 価格がパラボリックSARを下回ったとき。 - エグジット条件
ロングポジション: 価格がパラボリックSARを下回ったときにクローズし、ショートエントリー条件が満たされている場合には逆エントリー。
ショートポジション: 価格がパラボリックSARを上回ったときにクローズし、ロングエントリー条件が満たされている場合には逆エントリー。
すべて | ロング | ショート | |
---|---|---|---|
純利益 | 320,100 JPY32.01% | 432,900 JPY43.29% | −112,800JPY−11.28% |
総利益 | 1,616,600 JPY161.66% | 1,185,250 JPY118.52% | 431,350 JPY43.13% |
総損失 | 1,296,500 JPY129.65% | 752,350 JPY75.24% | 544,150JPY54.42% |
最大可能利益 | 466,900 JPY32.76% | – | – |
最大ドローダウン | 374,750 JPY27.03% | – | – |
勝率 | 41.46% | 50.82% | 32.26% |
終了したトレード合計数 | 123 | 61 | 62 |
プロフィットファクター | 1.247 | 1.575 | 0.793 |
バイ・アンド・ホールドでのリターン | 79,391.09 JPY7.94% | – | – |
パラボリックSARがFXトレーダーに人気な理由
パラボリックSARがFXトレーダーに人気がある主な理由として、トレンドの転換点を分かり易く示してくれることが挙げられます。
パラボリックSARは、FXチャート上にドットとして表示され、トレンドの方向を簡単に視覚的に把握できます。
これは特に初心者FXトレーダーにとって理解しやすい使い方です。その視覚効果により下記3点についてトレードに役立ちます。
- 明確なシグナル
- トレンドフォローに最適
- ストップロスの設定
それぞれ解説していきます。
明確なシグナル
トレンドの転換点を明確に示すため、エントリーとエグジットのタイミングを簡単に判断できる手法として有効で、勝てる可能性が高まります。
トレンドフォロー手法に最適
強いトレンドが発生しているときに非常に効果的で、大きな利益を狙うトレンドフォロー戦略に最適な手法です。これにより、FXトレードで勝てるチャンスが増えます。
ストップロスの設定
パラボリックSARラインをストップロスとして活用する使い方で、リスク管理がしやすくなります。これにより、FXトレードにおいて損失を最小限に抑えつつ勝てるトレードが可能になります。
パラボリックSARを活用した勝てるFXトレード手法
パラボリックSARを活用したトレード手法は、トレンドの転換点を見極め、効率的に利益を最大化するための強力なツールとなりますので、ご紹介していきます。
トレンドフォローストラテジー
トレンドフォローストラテジーとは、価格が特定の方向に動く傾向がある場合、その動きを追随する手法のことです。
この戦略は、トレンドが継続すると仮定し、そのトレンドに沿ってエントリーとエグジットを行います。この手法を用いることで、トレーダーはトレンドに乗り、FXトレードで勝てる確率が上がります。
実際のパラボリックSARを活用した勝てるFX取引手法の実例
実際に筆者がパラボリックを活用したトレード事例を下記の通りご紹介していきます。
- 基本設定
- エントリーポイント
- 決済ポイント
- トレード結果設定値
通貨ペア | USD/JPY |
---|---|
パラボリックSAR設定値 | 初期値(SAR):0.02 加速因子(AF):0.02 最大値(AF Max):0.20 |
日付 | 2024年5月20日 |
---|---|
エントリーポイント | パラボリックSARの点線がロウソク足の下に位置し始めたので、ここで買いエントリー(指値注文)を実施。 この時点での価格:155.70 |
日付 | 2024年5月25日 |
---|---|
決済ポイント | パラボリックSARの点線がロウソク足の上に位置し始めたので、ここで指値決済(利益確定)を実施。 この時点での価格:156.70 |
- エントリーポイント: 155.70
- 利益確定ポイント: 156.70
- 利益: 100 Pips
このトレードでは、パラボリックSARを用いて適切なエントリーポイントと利益確定ポイントを事前に設定し、100 Pipsの利益を得ることができました。
この手法の利点は、トレンドの明確な転換点を捉えることで、FXトレードのエントリーとエグジットをシンプルに決定できる点にあります。これにより、勝てるトレードが増える可能性が高まります。
FXで勝てるトレードの鍵!パラボリックSARで勝率を上げるための手法
パラボリックは初心者でも扱いやすいインジケータである一方で単体で利用する場合、勝率が高いとは言えません。
そこで勝率を上げるパラメータ設定値と他のインジケータとの併用方法について解説していきます。
パラメーター設定で勝てるFXトレード手法
パラボリックSARのパラメーター設定は勝てるトレードに重要です。
初期設定はステップ0.02、最大値0.2で、トレンドに応じて調整します。
ダマシへの対策で勝てるFXトレード手法
パラボリックSARのダマシを減らすことで勝てるトレードが実現します。
他のインジケーターと併用することで、誤シグナルを回避できます。
移動平均線+パラボリックSARの併用手法
移動平均線はトレンドの方向を示すため、パラボリックSARのシグナルと一致するか確認できます。
パラボリックSARが買いシグナルを示すときに、価格が移動平均線の上にあると、トレンドの強さを確認できます。
RSI+パラボリックSARの併用手法
RSIは買われすぎや売られすぎの状態を示すオシレーターです。
パラボリックSARのシグナルが出たときに、RSIが極端な値(70以上や30以下)に達していると、トレンドの転換点を予測するのに役立ちます。
MACD+パラボリックSARの併用手法
MACDはトレンドの強さと方向性を示すため、パラボリックSARのシグナルを補完できます。
MACDのクロスオーバーがパラボリックSARのシグナルと一致すると、信頼性が高まります。
ボリンジャーバンド+パラボリックSARの併用手法
ボリンジャーバンドは価格のボラティリティを示し、価格がバンドの上限または下限に近づくと、トレンドの転換点を予測できます。
パラボリックSARのシグナルと組み合わせると、エントリーポイントとエグジットポイントの精度が向上します。
フィボナッチリトレースメント+パラボリックSARのの併用手法
フィボナッチリトレースメントはサポートとレジスタンスレベルを示すため、パラボリックSARのシグナルと合わせてトレンドの強さを確認し、エントリーポイントやエグジットポイントを設定できます。
パラボリックSARで各種FX相場で勝てる手法
パラボリックSARはとても扱いやすいインジケータであるのと同時に、下記相場であれば勝率も高いです。
- ボックス相場
- トレンド相場
それぞれ解説していきます。
ボックス相場で勝てるFXトレード手法
ボックス相場では、パラボリックSARのダマシが多くなりやすいため、他の指標と組み合わせることで勝てるトレードが可能になります。
レンジ相場の確認が重要です。
トレンド相場で勝てるFXトレード手法
トレンド相場でパラボリックSARを活用することで勝てるトレードが期待できます。
トレンドフォロー戦略において、エントリーポイントを明確にします。
順張り戦略で勝てるFXトレード手法
パラボリックSARは順張りに使うことで勝てる可能性が高まります。
トレンドの継続中にエントリーすることで、効率的なトレードが可能です。
バックテストと最適化で勝てるFXトレード手法
パラボリックSARの設定をバックテストし、最適化することで勝てるトレード戦略を構築できます。
過去のデータで有効性を検証し、戦略を改良します。
これらの項目を活用することで、パラボリックSARを使った勝てるトレード戦略を構築できます。
各インジケーターの特徴を理解し、適切に組み合わせることが重要です。
FXにおけるリスク管理方法と使い方について
FX取引において、リスク管理はとても大切です。
今回はパラボリックSARを活用したリスク管理方法について、有用なものを具体例を踏まえていくつかご紹介していきます。
トレーリングストップ
トレーリングストップは、利益を最大化しつつ、相場の逆行時に損失を最小限に抑える効果的なリスク管理手法です。
具体的な使い方
- パラボリックSARの点線を基準にトレーリングストップを設定。
- 価格がパラボリックSARに触れた場合、ポジションをクローズ。
ポジションサイジング
ポジションサイジングは、トレードのリスクを一定に保ち、大きな損失を防ぎつつ安定した資産増加を目指すために効果的です。
具体的な使い方
- 1回のトレードでリスクに晒す資金を総資産の2%以下に制限。
- パラボリックSARのシグナルに基づきエントリーし、適切なロット数を計算。
損切り設定
損切り設定は、リスクを一定に抑えながら大きな損失を防ぎ、安定した資産増加を目指すために重要です。
具体的な使い方
- パラボリックSARの位置に基づいて損切りレベルを設定。
- 価格がSARの点線に達した場合、損切りを実行。
マルチタイムフレーム分析
マルチタイムフレーム分析は、異なる時間軸でトレンドを確認し、エントリーとエグジットの精度を高めるために効果的です。
具体的な使い方
- 複数のタイムフレームでパラボリックSARを確認。
- 長期タイムフレームでのトレンドに従い、短期タイムフレームでのエントリー・エグジットを行う。
コンファメーションシグナルの利用
コンファメーションシグナルは、複数の指標が一致することでシグナルの信頼性を高め、トレードの成功率を向上させるために効果的です。
具体的な使い方
- 他のテクニカル指標(例: 移動平均線、RSI)と組み合わせてシグナルを確認。
- パラボリックSARと他の指標が一致する場合にのみエントリー。
これらの方法を組み合わせることで、パラボリックSARを効果的に活用し、リスク管理を徹底することが可能です。
FXにおけるパラボリック設定値と使い方
パラボリックSARの各パラメーターを適切に設定することで、相場のトレンドが分かり、効果的なトレードができるようになります。
今回は多くのトレーダーが活用している、Meta Trader 4とTradingViewでの設定方法をご紹介していきます。
MetaTrader 4 (MT4)でのパラボリック設定値と使い方
- MT4を起動し、任意のFXチャートを表示します。
- メニューの「挿入」から「インディケーター」>「トレンド」>「Parabolic SAR」を選択します。
- 設定画面で、パラボリックSARの設定値を調整します。デフォルト設定値は、ステップ0.02、最大値0.2です。
- 「OK」をクリックしてFXチャートにパラボリックSARを表示します。この使い方をマスターすることで、トレードの精度が向上します。
TradingViewでのパラボリック設定値と使い方
- TradingViewを開き、分析したいFXチャートを表示します。
- 上部の「インジケーター」ボタンをクリックし、「Parabolic SAR」を検索して追加します。
- 設定画面で、パラボリックSARの設定値を調整します。
- 設定を保存し、FXチャートに反映させます。この設定値を用いた使い方により、効果的なトレードが実現します。
FX相場におけるパラボリックSARの勝てるカスタマイズ方法
パラボリックSARは、個々のFXトレードスタイルや市場条件に応じてカスタマイズする手法が可能です。
- トレンド相場手法
- レンジ相場
- ボラティリティの高い相場
各相場の設定方法の一例についてご参考までに解説していきます。
パラボリックSARを効果的にカスタマイズするためには、相場の種類(トレンド相場やレンジ相場)に応じた設定が重要です。以下に具体的な方法を示します。
トレンド相場で勝てるパラボリックSAR設定値
トレンド相場で勝てるパラボリックSARの設定値は、トレンドの強さに合わせてステップと最大値を調整することで、トレードの精度と利益を最大化するためにとても重要です。
設定値 | 初期値(AF):0.02 最大値(AF Max):0.20 |
---|---|
根拠 | トレンドの強さを追随するため、標準設定を使用します。 |
レンジ相場で勝てるパラボリックSAR設定値
レンジ相場で勝てるパラボリックSARの設定値は、ステップと最大値を低く設定し、ノイズを減らすことで、エントリーとエグジットの精度を向上させるためにとても重要です。
設定値 | 初期値(AF):0.01 最大値(AF Max):0.10 |
---|---|
根拠 | レンジ相場では価格の変動が小さいため、より緩やかな設定が適しています。 |
ボラティリティが高い相場で勝てるパラボリックSAR設定値
ボラティリティが高い相場で勝てるパラボリックSARの設定値は、ステップと最大値を高めに設定し、価格変動に迅速に対応することで、正確なシグナルを得るためにとても重要です。
設定値 | 初期値(AF):0.03 最大値(AF Max):0.30 |
---|---|
根拠 | 急激な価格変動に対応するため、加速因子を高めに設定します。 |
FXのパラボリックに関するよくある質問
FXにおけるパラボリックSARに関して、よくある質問について纏めましたので、ご参考ください。
FXのパラボリック 徹底解説 まとめ
今回のバックテスト結果から、パラボリックSAR単体でのトレードに一定の優位性を確認できたものの、勝率が40%台であったため、改善余地がありした。
勝率を上げる為にはMACDなどのGC、DCもエントリポイントの判断基準に入れたり、RSIなどのオシレーターも考慮するなどすることをおすすめします。
またパラボリックSAR戦略が効果を発揮するためには、相場環境を見極めることが重要であることがわかりました。
市場環境に応じて適切な戦略を選択し、リスク管理を徹底することが必要です。
これらの知識と実践例を活用し、自分のFXトレード戦略にパラボリックSARを取り入れることで、トレードの精度と成功率を向上させ、より多くの勝てるトレードを目指して頂けたらと思います。